こんにちは。ご相談ありがとうございます。
私自身、2回の出産を経験しましたが、いずれの後も、おっしゃっているのと同じようなことを一日中考えていました。なんで産んでしまったんだろう、もう無理、なかったことにしたい、というようなことを考えて泣いていました。私の場合、不妊治療をしてわざわざ作った子だったのにです(不本意な妊娠出産ではなかった)。
不安が頭を支配し、過去のことや未来のことを考えることをやめられず、一日中泣き、泣きながら役所で手続きをしていたらエレベーターで乗り合わせた母子保健担当の方が呼び止めて別室で話を聞いてもらったこともありました。産後1か月健診の時は、不安とイライラで爆発しそうになり、診察前に渡された「産後うつではないか」みたいな内容のアンケートをぐしゃぐしゃにし、診察を受けずに病院を飛び出したせいで病院から何度も電話がかかってきたりもしました。
「私もこれぐらいつらかったのよ」というような話をしたいわけではなく、おっしゃるとおりにホルモンバランスの乱れがそれだけ大きい時期なのだということがお伝えしたいのです。
私はそれに加えて、第一子の産後には、甲状腺というホルモンを出す臓器の調子もおかしくなっており、それも不安やイライラや落ち込みを悪化させていたようです。また第一子のときは出血も多く、貧血もあったと思います。しかし第二子のときは、甲状腺は大丈夫だったし貧血も第一子のときほどではなかったのに同じぐらい気分の変動は大きかったです。
その後、子宮の状態は数か月から半年程度で回復したように見えますが、振り返って考えてみれば、そこそこ元の状態に戻るのに3年かかったと思います。特に産後1年の記憶はほぼありません。いま、当時の写真を見ると、赤ちゃんはかわいいし、いったい何を悩んでいたのかなあ、どうしてこんなに何も覚えていないんだろう、もったいないな、泣き声もこんなにかわいかったのに、ちょっとぐらい泣いただけでなんであんなにつらかったんだろう、と思うのですが、当時は本当に追い詰められていました。好きだった読書もできない
(文字を追えない、内容が頭に入ってこない)、出産前は何でもなくできていた仕事もできない、記憶ができない、というポンコツ状態でした。こういった状態はマミーブレインとも呼ばれています。
妊娠出産というのは、女性の体と脳と心に本当に大きな変化をもたらすことです。産後1年は、まともにものが考えられなくて当然、産後1年の自分は自分じゃないぐらいに思っていただいていいと思います。
ことばだけのやりとりで何が分かるのだと思われるでしょうが、相談者様は必ず、「赤ちゃんを受け入れ、母親になれる」「子供をかわいいと思える日が来る」と、私は確信しています。母親だからこれぐらいできて当然、こう思わなきゃ母親じゃないなんて思わなくて結構です。赤ちゃんを妊娠したときから、相談者様はもう母親であり、赤ちゃんと強く結びついています。相談者様は妊娠期間を耐え抜き、赤ちゃんを守り抜き、命がけで出産を終えられました。もう立派な母親です。それ以上何も必要ありません。何も心配いらないと思います。
私自身も、産後うつだったと思います。ただ、私の場合は甲状腺の問題や貧血も悪化要因であり、甲状腺がおかしいんだと分かっただけで、「自分が今おかしいのはホルモンのせいなんだ」ということで、少し責任を降ろせたというか、楽になりました。産後の甲状腺異常はほとんどの場合には自然に改善するので、治療はいらない場合が多いとされています。出産後に甲状腺の調子が悪くなることは、甲状腺を専門とする医師の間では常識のようですが、産婦人科医の間ではあまり認識されていない場合もあるようです。相談者様も甲状腺の問題や貧血があれば少し原因が分かってらくになるかもしれませんので、主治医にその点もご確認されてみても良いかもしれません。甲状腺の異常や貧血があるかは、血液検査で分かります。
精神科や心療内科でも、遠慮なく相談してください。薬を飲むかどうかは相談の上で決まりますので、受診したら必ず薬を飲まなければならないとは限りません。