こんにちは。
まず、親といっても人間であり、子供にも個性がありますから、「子供Aとは気が合う・可愛く感じる、子供Bとは気が合わない・可愛く感じない・相性が悪い」ということはあっても当然です。
「親なんだから、子供AにもBにも平等に愛し、平等に接するべき」というのは理想論ではありますが、心の底からAもBも同じように愛せてはいなくても、親が責められるべきではないと思います。
心の中で子供AとBをどう思うかは、親の自由であり、そこを否定すべきではないと思います。
相談者様が娘さんと息子さんを心の中でどう思っておられるか、娘さんのことを愛していないとかそういうことではなく、そもそも「親なんだから子供を心から平等に愛すべき、平等に扱うべき」ということはないんだということです。
表立って「Aはかわいい、好き。Bはかわいくない、嫌い」と言ったり、「Aにはお金をかけるのにBにはお金を出さない」「女の子なんだから男の子のために我慢しろ」「上の子だから下の子のために我慢しろ」といった言動をするのは、今の時代にはふさわしくないと思いますが、心の中の思いまで、「こんなことを思うなんて私は親としておかしい」と思わなくていいと思います。
上の子と下の子では、年齢も違うし、「この年齢・学年だったらこういうことはできてほしい」ということも違うのですから、同じように甘やかすのが親として正しいわけではないと思います。0歳児は寝返りをするだけでも褒められ、1歳児が上手に立って歩けば褒めますし3歳児がトイレで成功したら褒めて喜びますが、10歳になっても「上手に立って歩けるね~、トイレに行けて偉いね~」とは言わなくていいと思います。その子にはその子の、年齢に応じた課題があるのです。期待することだって違って当然です。上の子さんが3歳のときには、弟さんと同じような感じで手放しで可愛がっていたかもしれませんし、下の子さんが同じ年齢になったら、「準備ができていない」と娘さんと同じようにイライラするかもしれません。
上の子さんに大して「しょうがないね~、ママが準備しなくちゃいけなかったね~、ごめんね~、体操服も出せなくても当然だよ~」と甘く言うのが正しい、ということはないと思います。3歳児と同じように接していたのでは、8歳のお子さんの能力は育ちませんし、8歳のお子さんの尊厳を守れません。「あなたには無理だ、できるわけない」というメッセージになりかねません。
何度も準備しろとリマインドしたのにできていない、同じ状況があれば誰だってイライラすると思います。こんな不条理なことは、仕事の場では起こりにくいので、仕事中のほうが楽というのはよくわかります。また下の子さんには期待することも少ないので気が楽だと思います。
旦那さんは、娘さんのマイナス感情を受け取るのが負担で、大人である相談者様を責めることで娘さんを慰めようとされていたのかもしれませんが、日々のあれこれに付き合っている相談者様に負担をかけるばかりでは誰もハッピーにならないと思います。旦那さん、あなたが洗濯して音読を聞いてくれてもいいんですよ??あなたも親なんです、あなたも娘さんの学校準備含め家庭運営において責任を負うんですよ?あなたの言う「優しくしろ」って具体的にどうしろということですか?イライラを癒す、パートナーと支えあうんですよ?と思います。
娘さんはママっ子ということで、愛着関係は基本的にできていて、あとは現実的なタスクをどう解決して日常のトラブルを減らしていくかということだと思います。
どうして娘さんは準備ができないのか?具体的にどう環境を整え工夫すれば娘さんがやるべきことをできるのか、イライラする場面を減らして日常が回るようになるのか?を考えたいと思います。
なぜ娘さんはギリギリになるまで宿題ができないのか、なぜ体操服を出さないのか?
やらなきゃいけないことは分かってるけど宿題をやるのが面倒、体操服を出すのが面倒、それより今やりたいことがあるのでしょう。
どうすれば取り組むハードルを下げられるか、「自分でできた!」「自分だってできる!」の喜びを増やせるのか?
例えば「学校の準備をする」ということを分解してみます。学校から帰ってきてランドセルを置く。水筒をケースから外して洗い場に出す。連絡帳・宿題をランドセルから出して机に置いて必要なページを開く。筆箱の鉛筆を確認して削る。足りないものを補充する。宿題が何と何があるのか思い出し、優先順位をつけ、終わった宿題とこれからやる宿題を整理する。できた宿題をランドセルにしまう。体操服やハンカチを出して洗濯かごに入れる。洗濯から上がったものをたたんでカバンに入れる。時間割を見て必要なものをそろえる。そういった多数のステップから成り立っています。朝は、起きる、着替え、トイレ、朝食、歯磨きなど。これらは大人からしたら当然のことですが、子供にとっては、一つハードルが高いステップがあるだけでも「面倒、後でいい、いまやりたいことのほうが優先」となります。
ここで大人の知恵と人生経験が役立ちます。ランドセル置き場・洗濯物入れ・机の上など、子供にとって使いやすいか、一つでも手間を減らせないか?体操服入れが開け閉めしにくいとか、そんな小さなことでも、子供にとってはハードルになることもあります。「自分で管理できる、自分でコントロールできる、自分はできる」という感覚を持てる仕組みになっているか?子供目線で難しいことはないか?あちこち移動しなくても完結する「おしたくコーナー」などが作れないか?机の上が散らかっていて、まずモノをどかさないと宿題が広げられないというだけでもやる気がなくなります。「今からやる宿題はこのボックスに入れて、終わった宿題はこっちのボックスに入れて!未完成ボックスが空っぽになると気持ちいいね!」みたいにできるとやる気になる場合もあります。教科書やノートの、今から使うページにふせんを貼る。ページの端を折っておく、そんなことだけでも開きやすくなってハードルが低くなり面倒が減り少ないエネルギーで取り組みやすくなる。といったこともあります。
学校から帰ってからやることを、ホワイトボードなどにリスト化して列挙し、一つできたらチェックするなど、「何ができて何ができていないのか」を可視化し、達成感を得るような仕組みを作るのが役立つ場合もあります。
大人にとっては負担なくできるタスクも、子供にとってはステップが多すぎて面倒が先に立つことがあります。ステップを細かくし、具体的に何をやればいいのか視覚的に表示したりして分かりやすくし、あとこれとこれをやればゴールだという見通しが立つことで、取り組みやすくなることがあります。
また、「耳から聞いた情報をうまく自分の中のメモ帳にとどめておけない」という方もおられます。聞こえてはいるけど、抜けていってしまう。いま目の前にあることのほうがリアルで、耳から入ってきた「○○をやりなさい」ということの重みが分からない。やらなければどうなるかが想像できない。これをするのにどれぐらいの時間と労力がかかる、どれを先にする、いつまでにこれをやらないとまずい、という計画立案ができない。大人でもそういうことがありますし、子供ならなおさらです。特に「これをやって、あれもやって」と複数言われると分からなくなることもあります。人にもよりますが、メモを渡したり、ホワイトボードに書いたりして、視覚的に訴えるようにしたら頭に入ってくることもあります。例えばマグネットに「○○をする」「□□をする」などを書いておいて、「今からやる」「終わった」などの枠組みの中において、一つできたら「終わった」コーナーに移動させるなどもあります。
「親から言われてその通りやった」というよりも、「自分で決めて、自分の意志でやった」ということが自信とやる気につながる場合もあります。「今やるべきことって何?AとBとCとDなんだね。じゃあどれからやる?それぞれどれぐらい時間かかりそう?大変なやつからやっちゃう?それともやりやすそうなやつからやる?明日は○○の予定があるからDは明日にする?AとBが終わったらおやつにする?じゃあAができたらいったんママに教えて!ママも娘ちゃんがやっている間に料理をするよ!よーいどん!」みたいな感じがよい場合もあります。Aをやれと言われてやったのではなく、自分で選んでやったんだと脳が思うと、やる気が出ることがあります。
子供の成長は個人差も大きいです。子供を東大に入れたという教育ママさんの本によると、「私は18歳になるまで子供に靴下をはかせて起こしていたし、勉強も管理していた。小学生のころは問題文を読み聞かせていた。歯の仕上げ磨きもしていた。学校の支度も私がしていた。それでも子供たちは大学生になったら自立している。できるだけ楽になるよう手助けしていい」だそうです。どこまで、何歳までやるかはご家庭によりお子さんにより様々と思いますが、例えば勉強のサポートとして、「鉛筆を削って机の上にそろえる、ごみを片付けて机の上を整える、教科書とノートの必要なページを広げてセットする」といった小さいサポートをされている方は多いと思います。消しゴムを面倒がる子もいるので消してあげる、丸付けをしてあげる、などもあります。
勉強以外でも、お母さんが大変で、お子さんにとってはまだ無理だなと思ったら、「もう何歳だからこれぐらいできなきゃダメ」という期待を少し下げて、日常のサポートをもっとして、お母さんもお子さんも楽になっても、少しずつ自分でできるようにお子さんに役割を任せていけば、最終的に大人になった時に困ることは少ないと思います。期待するから現実とのギャップに落胆しイライラします。その期待、「これぐらいできなきゃどうするの」というのは、本当に10年後からふりかえってもいま必要か?というと、たいていのことは後から振り返れば「あの時そんなにムキにならなくてもよかったな」となるかもしれません。
またお母さん自身も、便利家電(食器洗い機、全自動洗濯乾燥機、掃除ロボットなど)や宅配サービスなど利用し、労力を減らせるところは減らして、日常を楽に回せるようにし、心身の余裕を作っていくのがよいかもしれません。体力・気力の余裕がないときに、トラブルが起こるとイライラしやすくなります。余裕があると、多少のイレギュラーにも対応しやすくなります。そういう奥さんの余裕を作るのも旦那さんの役割の一つと思いますが、他人に考え方や行動を変えてくれと期待しても難しい場合もありますから、まずは上記のような環境整備や工夫をできる範囲でされてみて、娘さんにも「娘ちゃんが学校の準備がギリギリになってイライラしちゃったことがあったでしょ?もしかしたら学校の準備っていっぱいやることがあって、やりにくいことがあったんじゃないかと思うの。ママもお仕事でこういうトラブルがあったときに、こういう工夫をしてうまくいったんだよ。娘ちゃんもママももっと楽になるように、こういうふうに工夫したらいいんじゃないかと考えてみたんだけど、どうかな?意見を聞かせて!」というふうに、一緒の目標に向かって知恵を出し合う、工夫を楽しむ、うまくいったら喜ぶ、といった形から始めてみられてもいいかもしれません。