はじめまして、小児科医の白井です。
●どのくらいの言葉の遅れや不明瞭さなのか、など、実際に診察したわけではないので、あくまで発達障害の一般論として受け止めてください。
●そもそも3歳という年齢が、難しいです。
まだまだ自我と戦っている日々、仮に発達障害があったとしても、極端な運動・精神発達の遅れがない限りは、個人の特性・個性として、今後の様子を見ていくしかないことがほとんどです。
また自閉症やADHDのような発達障害の診断も、(年齢や性別に限らず)そもそもかなり難しいものです。
ネットには診断基準やチェックリストなどがありますが、それが当てはまるからといって、診断はできません。診察室でのお子さんの振る舞い、学校や家での様子の違い、家族背景、そのほか諸々を総合的に判断します。
もっといえば、絶対に自閉症・ADHDだ!と断定的に診断できるお子さんよりも、「なんとなく、自閉症のような性質・気質・特徴をもってる子」というように、グレーゾーンに入る場合がほとんどです。
●なので、仮になんらかの発達障害が疑われた場合でも、一番大事なのは「診断すること」ではありません(診断はつかないグレーゾーンが多いので、現実的に不可能な場合が多いのです)。
重要なのは「お子さんの特徴・キャラクターを把握すること」です。
聴覚よりも視覚からの情報が入りやすい。一つ一つの行動処理には問題はないが、マルチタスクや、過去の経験を活かして対応するような場面になるととたんに処理が難しくなる。など。
診察はもちろん、発達や知能検査で、こうしたキャラクターを把握することができます。
これが大切な理由は、「お子さんのキャラクターにあわせた関わり方を、周りの人がすること、そういう環境を整えてあげること」が、お子さんにとって重要だからです(これは発達障害に限らず、すべてのお子さんにとっても該当しますが)。
とくに発達障害があるお子さんは、その行動から、他人から叱られる場面が多く、本人も周りも気づかないうちに、自尊心が傷つき、二次障害(うつ状態や、さらなる問題行動など)を引き起こしやすいからです。
●3歳児健診はもう受けられましたか。お子様の今の知能指数や発達の度合い、キャラクターをどうしても検査をして知りたいというのであれば、知能や発達の検査をしたいということで、発達の支援センターや医療機関に相談することは構いません。
が、実際に検査してもらえるかは診察した医療者の判断によりますし、検査をしたとしても、それは診断のためにするもの、というよりは、単にお子様の現時点でのキャラクターを知るため、と認識してください。
年齢や、環境の変化なども加味して、今は様子を見ましょうと言われるケースも多いです。
もちろんまれですが、言葉の遅れやそのほかのお子様の症状を引き起こす病気(ホルモンや神経の病気など、
様々あります)がないか疑われれば、血液や画像の検査なとをする場合もあるかもしれません。
●今ご自宅でできることは、お子様の気持ちの理解とラベリング、そして少しでも安心して過ごせる環境づくりです。
噛みつきたかったよね、という行為への同意。悔しかったのかな、悲しかったのかな、といった気持ちのラベリング。
もちろん噛むという行為はいけないが、今日も本当によく頑張って登園してくれた、大好きだよと、行為はおいといて本人そのものを愛しているよ、いう愛情表現。
できる範囲で良いので、お子様にしてあげてください。
少しでもお力になれれば幸いです。