はじめまして、小児科医の白井です。
●実際のお子様の様子を診察したわけではなく、今までの運動・精神発達の詳細もわかりかねますので、
あくまで一般論として受け止めていただければ幸いです。
●そもそもADHDのような発達障害の診断は、(年齢や性別に限らず)かなり難しいものです。
ネットには診断基準やチェックリストなどがありますが、それが当てはまるからといって、診断はできません。
診察室でのお子さんの振る舞い、学校や家での様子の違い、家族背景、そのほか諸々を総合的に判断します。
もっといえば、絶対にADHDだ!と断定的に診断できるお子さんよりも、「なんとなくADHDのような性質・気質・特徴をもってる子」というように、グレーゾーンに入る場合がほとんどです。
●なので、仮になんらかの発達障害が疑われた場合でも、一番大事なのは「診断すること」ではありません(診断はつかないグレーゾーンが多いので、現実的に不可能な場合が多いのです)。
重要なのは「お子さんの特徴・キャラクターを把握すること」です。
聴覚よりも視覚からの情報が入りやすい。一つ一つの行動処理には問題はないが、マルチタスクや、過去の経験を活かして対応するような場面になるととたんに処理が難しくなる。など。
診察はもちろん、発達や知能検査で、こうしたキャラクターを把握することができます。
これが大切な理由は、「お子さんのキャラクターにあわせた関わり方を、周りの人がすること、そういう環境を整えてあげること」が、お子さんにとって重要だからです(これは発達障害に限らず、すべてのお子さんにとっても該当しますが)。
とくに発達障害があるお子さんは、その行動から、他人から叱られる場面が多く、
ご本人も周りも気づかないうちに、自尊心が傷つき、二次障害(うつ状態や、さらなる問題行動など)を引き起こしやすいからです。
●娘さんの場合、日常生活にも支障がではじめているようです。
上記のような理由から、たしかに何らかのサポートをしてあげたほうが、良いかもしれません。
特にこれから、勉強の内容も難しくなり、お友達関係も複雑になってきます。
女の子の発達障害の場合は特に、それまではおしゃべりや社交性で、発達の特性をカバーできていても、
小学校高学年や中学生になってから、友達関係の繊細さ・複雑さについていけず、学校生活が困難になり、ますます学校に行けない・勉強する気もなくなる…
といったことが目立ってくる時期でもあります。
中学生になってはじめてこういう症状が出て、検査したら実はものすごくIQが低く、「本人がなまけていると思っていたけど、実は、勉強内容をなにひとつ理解できる知能を持ち合わせていないなかで、無理やり授業や宿題などを負担させていた。本人としても非常に辛い思いをしていた。」というケースも少なくありません。
娘さんの長い将来・自己肯定感を考えると、本当に通常学級のままで良いのかなども、検討する必要がある場合もあります。
●いずれにせよ、お子さまがどんなキャラクターや性質、発達の特性をお持ちかによって、とるべき手段は変わってきます。
このあたりの評価をしてくれるかかりつけはあるでしょうか?
発達やキャラクターの検査自体は1年に1回などで良いですが、経時的にお子さまのキャラクターを評価して、お子さまに合った声かけや対応を示してくれるような場は必要です。
発達支援センターや、療育などが、こうした場になります。発達障害のお子さんのための、民間の塾などもあります。
まずはスクールカウンセラーなどに相談するのも良いです。必要だと判断されると、上記のような機関に紹介してくれる場合もあるでしょう。
少しでもお力になれれば幸いです。