はじめまして、小児科医の白井です。
この時期の混合は非常に難しいですよね。
●結論から言うと、何ヶ月だから、母乳は○mL・ミルクは○mL、という決まったものは、医学的にもありません。
その子に必要な母乳やミルクの量というのは、短期的には尿・便・赤ちゃんの活気、長期的には体重で判断するしかないからです。
●たしかに、ミルク缶の記載はひとつの目安です。ただ、あれは上限の目安だと思ってください。
ミルクはどうしても、母乳に比べるとタンパク質・電解質の負荷がかかるので、(母乳とちがって)一日○mLまで、という上限の目安が必要です。
つまり、ミルク缶の記載どおりの量が飲めていなくても、その子にとっては十分な量が摂取できているケースはよくあります。
日によって飲みむらがあるのも、むしろ正常です。
※なお厚生労働省が示している一つの基準で0〜5ヶ月の赤ちゃんは1日に780mL、というものがあります。逆を返せば、0ヶ月でもそれくらい飲む子もいれば、5ヶ月になってやっとそれくらい、という子もいるということです。
●おしっこが10回もあれば、脱水はまず無いと判断します。(状況にもよりますが、半日に1回も尿が出ない、ぐらいまでいくと、脱水は明らかです)
便のペースも赤ちゃんそれぞれで、2〜3日に1回の赤ちゃんもいます。お腹が張って苦しそう、そのせいで飲めない、というのでなければ、便のペースも気にする必要はありません。便だけで脱水は判断できません。
なお体重については、毎日測る必要はありません(尿や便の影響で、測るタイミングによっては前日比で減ることもあります)。医師から特別な指示がない限りは、2週間おきくらいで大丈夫です。
●おそらく、いまより多くミルクをあげると、赤ちゃんはゴクゴク飲むかもしれません。
ただし、この時期は赤ちゃんも(お腹が空いたという感覚よりは)ただ口の神経の反射で飲んでいるので、今までが足りなかったんだ!とは一概には言えません。
むしろ飲むままにミルクをあげると、胃の容量をこえて大量に吐き戻すケースも多いです。
さらに、ミルクの量が増えるほど、赤ちゃんの飲む量にしめる母乳の割合は少なくなります。本来、母乳育児は、母乳以外のものをあげずに、赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけあげることで、軌道にのるものです。
母乳の分泌も3ヶ月にかけてどんどん良くなるので、最初は足していたミルクも必要がなくなってくるケースも多いです。
病院側の指示にどのような意図があるかは推察するしかありませんが、おそらく、お母様の今後の母乳の分泌も気にしての指示の可能性があります。
●上記を踏まえた上で、お母様がとにかく今は量を飲んでくれないと不安だし、母乳育児にもこだわりがないし…という場合は、ミルクの量を増やしてもかまわないでしょう。(あまりに吐き戻しが多くなるなら、調整が必要ですが)
そうでもなければ、ひとまずミルクの量はそのままにして、お母様の母乳の分泌や赤ちゃんの体重を見ながら、2週間健診や1ヶ月健診で相談しつつ、少しずつ調整していっても良いと思います。このほうがむしろ、赤ちゃんにとっては負担が少ない可能性もあります。
少しでもお力になれれば幸いです。