こんにちは。
昔、我々の祖母が育児をしていた時代、赤ん坊は、生後6か月ぐらいまではできるだけ抱き上げてもダメで、布団にべたっと寝かせておかなければならない、首が座らない赤ちゃんを抱っこすると首に悪い、成長に悪い・・・と言われていたころがあったそうです。そのころの赤ちゃんは、絶壁が多かったそうです。そのころの赤ちゃんは我々の親世代です。親世代と今と、どっちが発達障害が多いでしょうか?昔は発達障害の診断基準がはっきりしていなかったから診断されていなかったという可能性もありますが、昔のほうが明らかに発達障害が多かったというようなことはないと思います。
逆に、ヨーロッパでは、あおむけに寝かせると絶壁になるということで、一時期、赤ちゃんはうつぶせで寝かせろという政府のキャンペーンがありました。その結果、乳幼児突然死症候群が増え、キャンペーンは撤回されました。政府も間違うこともある、というか時代とともに情報の間違いが分かってくることもあるのです。先日も、離乳食の卵をいつから始めるかという問題で、昔は卵はできるだけ遅くからしたほうがアレルギーになりにくいと言われていたのに、最近の研究により、5か月など早い時期のほうがいいとされ、厚生労働省のガイドラインも変更されました。
情報を見るときは、その情報によって、情報発信者が得をするのかどうか?どういう情報をもとにしているか?をよく考える必要があります。
「太っている女性はモテません!20代のハイスペック男性にインタビューすると、太っている女性とは付き合いたくないという人が80%いました!だからうちのダイエット商品を購入して、モテモテになりましょう!」という広告を見て、どう思いますか?どうせ自分の商品を売りたいから、データもいい加減に取っているか、サクラから集めているか、データ集計も都合のいいようにやってるんじゃないの?という批判の目で見るのではないでしょうか。
かつて、経皮毒という考え方があり、パーマ液やシャンプーが頭皮から吸い込まれて、体中をめぐると。化学合成のシャンプーを使っている妊婦の羊水は、シャンプーのにおいがする・・・という話が出回ったことがありました。これはのちに、「そういうシャンプーを使わず、うちの商品を使いましょう」という宣伝のために流された情報だったと分かりました。人の恐怖をあおるような言説には、批判的な目を向け、複数の視点から考える必要があります。「○○だと大変なことになる」という不安をあおって、お金もうけをしようという人は多いです。すべてが間違っているわけではありませんが、一度冷静になって情報を吟味する必要があると思います。
本だとか、医学博士ご推薦とか、新聞記事とか、いかにもしっかりしているように見えるかもしれませんが、医師が言っているといっても、医学界全体が認めているとは限りません。本当に信頼できるのは、何千人何万人という人に対し、先入観無しで研究を行い、論文になり、論文を多くの人が批判的な目で見て、それでも正しいと認められ、しかもそういった論文を何十も集めて、比較検討して出した結論だけです。医師一人が、自分の考えや思い付きで、数十人の子供を治療し、たまたまうまくいったからといって、正しいとは限りません。また、頭がい骨のゆがんだ子だから脳がおかしくなったのか、脳がもともと問題があったから頭がい骨の発達にも変化があったのかは分かりません。原因と結果が逆に解釈されることもあります。また、頭がい骨の形を強制すれば、脳も変質する、と言うのは論理の飛躍です。
本当に絶壁が問題になるなら、母子手帳にも書かれ、母親教室や、乳幼児健診でも宣伝されるはずですが、相談者様が記事を読むまでご存じなかったということ自体が、それほど重要な情報ではないという証拠だと思います。相談者様も、「妊娠中はバランスの良い食事をしましょう」「アルコールやタバコはダメですよ」「妊婦検診に行きましょう」というような情報は、何度もうるさく言われたと思います。それほどの重要性はないということです。
今後、そういった研究が積み重ねられ、実際に絶壁より頭の形がいい人のほうが出来が良いということが分かり、「赤ちゃんは0か月から枕を使いましょう」というようなことが母子手帳に書かれる日が何十年後かに来るのかもしれません。しかし現時点ではそういうことは言われていないわけですから、相談者様が後悔される必要は全くないと思います。