あやなさん、こんにちは。
臨床発達心理士の春野瞳子です。
今までたくさんの自閉症スペクトラムのお子さんと出会ってきましたが、一人ひとりみんな違いましたので、言葉や理解力はどのように伸びていくかと言うご質問には、人それぞれですとお答えすることになります。
でも、心理士さんから自閉傾向と指摘されたものの、それ以降も順調に発達されている様子。あやなさんの働きかけが功を奏したのかもしれません。
単語も指差しも出てきて、2語文も10個ほど。定型発達のお子さんと比べても遜色ない個人差の範囲内ですね。そして何よりあやなさんのお子さんへの観察力に敬意を表します。翌100後も数えましたね!素晴らしいお母さんですよ。
そして、宇宙語が出るという事はコミュニケーションの意思があるという事。そのことをまず喜びましょう。
目が合うかどうかは、あまり気になさらなくて結構です。というのも成人して言語能力に障害のない自閉症スペクトラムの方々が今は語るようになってきて、「大人が目を合わせろと言うけれど、そうするとどこを見ていいのかわからなくなり相手の顔が輪郭からくずれてくるんだ」等と言うのです。私たちとは見え方が違ったり脳内での処理の仕方が違うのかもしれません。
私が師事しているお医者様は「そんな時は周りの人のために、『鼻を見ろ』と言ってあげてください。目玉が動くのをじっと見ているのは彼らには苦痛なのです」とおっしゃっていました。そうなんです、周りの人のために目を合わせているように鼻を見ていると、それだけで周りの人は安心するのですね。人とコミュニケーションをとる時の大事なスキルとでも思っておいてください。
耳からの理解力が低ければ、目からの理解力で補えばいいだけの事。障害がないと言われているお子さんでも偏りはありますから、何ら心配なさることはありません。
実は私も耳からの情報処理能力が低く、小学校2年生の時の「聞くテスト」では20点しか取れずとてもショックでした。でも曲がりなりにも大学院を卒業しましたので、他の能力で補えば大丈夫だという事ですね。
では、これからどうすればいいのかをお話ししますね。
耳からの情報だけで指示が通らないのは、3歳なら当たりまえだとも言えます。定型発達のお子さんは他の状況から察知するという事を学び始めますから理解していると思われがちですが、耳からの情報、つまり言葉は消えていくものなので、3歳児にそれほど理解力があるわけではありません。周りの状況から察知するという事を苦手とするのが自閉傾向のあるお子さんですので、そこは目から入る情報で補います。
絵カードを準備し、言葉と同時に絵を見せる。これを「同時提示法」と言います。絵カードだと、指示も消えないで残っているので安心ですし、同時にいつも同じ言葉と一緒に提示することで、言葉の理解にもつながります。
呼びかけは肩を叩く、目の前から呼ぶ、など工夫してみてください。聞こえていても、聞こえたら振り向く、という事がわかりませんから好きな遊びに没頭していればそのまま続けているのも不思議ではありません。「〇〇ちゃん、ママを見て」と言ってみるのもいいでしょう。その時「こっち向いて」ではなく「ママを見て」にしてください。抽象的な「こっち」と言う言葉は理解しづらいです。状況によって「こっち」の意味や場所が変わるからです。
多動傾向は、この年齢にお子さんには多く見られます。じっとしていることを強要するのではなく、遊びの中でも「意味を持って動く」ことを意識してください。動きたいのだから動ける環境を作りましょう、という事です。
このようにお子さんに合わせて療育を進めていくと、きっと効果が目に見えてわかるようになります。その時は思いっきり褒めて喜んでください。本人はあまり嬉しそうではないかもしれませんが、ちゃんとわかっています。顔には出なくても叱られれば悲しいし、褒められれば嬉しい、でも表現の仕方がうまくないだけなので、わかっていないと思わないでくださいね。
そして、言葉で心の通った話がしたいとおっしゃるあやなさんの気持ちは痛いほどわかりますが、まずは言葉以外のコミュニケーション行動で心が通う一瞬を作ってください。同じものを見て笑う、お布団で一緒に寝る、悲しい時には泣く、嫌なことがあった時には一緒に怒る、などです。そうすることで発達しにくいと言われている自閉傾向のお子さんの感情を育てることにもつながります。私は発達しにくいのではなく、周りの人に発達しているのだとわかりにくいだけだと思っていますがね。
今後も折に触れ、ご相談くださいね。
システム上、指名はできませんが、見つけたらお答えさせていただきます。
少しでもお力になれれば幸いです。