こんにちは。
「○○という症状があります、チックでしょうか?私がストレスを与えているせいでしょうか?」というご相談は、ご相談としても時々頂きますし、受診される患者さんでもよくあります。「私が至らないせいでこの子に不利益を与えているのでは?もっと良いやり方があるのでは?もっとよい環境があるのでは?」というお気持ち、私自身も同じことを自分の子供に対して思うので、本当にお気持ちよく分かりますが、子供にできるだけ良い環境を与えたい、良い接し方をしたいというお気持ちこそが母性であり愛情であり、そんなふうに愛されているだけで子供にとっては十分ではないかな・・・そんなふうに自分を振り返って、もっと子供にできることはないのかと思っているお母さんの子供が、本当に深刻なストレスを抱えるのかな・・・といつも思います。
チック症の診断のためには、本来は何か月とか半年とか症状が続いていることを確認し、しかもそれがご本人の生活に支障をきたしている(その動作のせいでやりたいことができない、本人が気にしているなど)ということが必要ですので、一般の医療機関で、そうそうチックという診断ができるわけではありません。医療関係者が「チックです」「チックかもしれない」、という場合、「体に何か、治療を要するような深刻な病気があるわけではないから、様子を見ていていいでしょう」という程度の意味であることも多いかと思います。つまり「ストレスが原因でしょう、お母さん反省しなさい」という意味ではない場合が多いかと思います。そもそも「チック=ストレスのせいだ」ということ自体、本当に正しいか分かりません。かつてストレスのせいとされてきた円形脱毛症も、必ずしもストレスで起こるとは言えないことが分かってきています。
子供は理由のない行動をよくしますし、マイブームのようによくわからないことをするのも珍しくありません。目をしきりにひっかくけど特に原因が分からない、体をひねる、皮膚をつねる、髪を抜く、爪を噛むなど、様々な診療科で、同じような現象(不思議な行動をするが原因が分からない、そのうちに消える)は見られると思います。
お母さんが妊娠して遊び相手ができないというような状況はよくあることだと思います。子供は幼稚園でしっかり遊んでいると思いますし、「もっと、もっとやらなきゃ、がんばらなきゃ」と思わなくてもいいと思います。大人になって、「3歳のあの時、お母さんが妊娠中の時期に遊べなかったことが、大人になっても深刻な影響を与えている」などということはないと思います。数年後でさえ、「3歳のあの時、遊んであげられなくてごめんね」などと子供に言っても、「何のこと?覚えてない」となるでしょう。「お母さんが公園で一緒に走り回らなければ、一緒に遊んだことにならない、愛情不足になる」というようなことはないと思います。おうちで一緒に横になっておしゃべりしたり一緒にテレビを見たりだけで子供にとっては十分嬉しいと思います。
幼稚園での様子を先生に聞いてみられ、何か変化がないかご相談されるのも一つかと思います。
鼻に何か詰まっていて変な息づかいになったりすることもあります。小さいおもちゃ、紙やシールのかけらなど、鼻に入れてしまうこともありますし、大きい鼻くそや鼻血の固まりなどがあって鼻息が荒くなることもありますので、耳鼻科でご相談されるのも一つの方法と思います。
精神疾患の中には、親きょうだいに同じ病気が見られる場合もあります。しかし血液型のように明確な遺伝パターンがあるわけではありませんし、3歳の時点で、「子供がチックなのは、親の病気のせいだ」「親が特定の病気だと、子供がチックになりやすい」というようなことはないと思います。