こんにちは。
私も全く同じで、自分が書いた文章かと思いました。次から次から心配になりますよね。医療従事者は、健康・病気ということに意識・興味が向きやすく、知識があるぶん、不安になっていく面もあると思います。また、いろんなことへの不安が、全部、健康・病気関係の不安として噴出するということもあると思います。つまり最初は人間関係の不安とかお金の不安とか心身の疲れが心の中に溜まって負担となり、不安のバケツがいっぱいいっぱいになると、その不安のエネルギーの向き先が、「病気じゃないか?」という形で噴出するということです。
おっしゃるとおり職業病という面もあると思います。北杜夫という作家で精神科医という人がいますが、その人のエッセイに、「先輩の医師が、自分は○○病だ、もう駄目だ、といったり、次は××病だもう駄目だ、といったりしている」「医学部で病気の勉強をするたびに、自分がその病気じゃないかと心配になり、もう自分は○○病で死ぬんだと大騒ぎする」というようなシーンが書いてありました。私自身も、病気を知るたびに、自分や家族がこの病気じゃないかと心配の種が増える気持ちでした。
私の知人(女医)は、旦那さんが産婦人科の高名な医師でしたが、自分の子供が生まれたとき、旦那さんが「この子は○○病じゃないか、××病じゃないか、大丈夫だろうか」と大騒ぎしていて、「よくそんな珍しい病気を次々心配できるな」と思っていたそうです。
「医療従事者で知識があるはずなんだから、ちゃんとできなかったら、なぜ気づけなかったの?なぜ適切に対応できないの?と責められる!」という思いも、よくあると思います。私自身も、自分の子供のことで他の医師に相談したとき、「お母さんが女医や医療従事者の人は、自分ひとりでちゃんとしないといけないと思って、他の人に素直に相談できず、苦しんでいる人が多い」ということを聞きました。これは他の職業でも言えることで、親が教師をしている人は、自分の子供の成績や親子関係の相談を他の人にできず悩むのだそうです。保育士さんは自分の子供のことでうまくいかないとき、自分が保育士のくせに自分の子供もうまく育てられないのかと言われるのでは?と思って相談できず苦しむのだそうです。
私自身は、健康に関する不安も含め、いろんなことが自分では対処しきれなくなり、精神科で相談し、うつ病・不安障害として、2年ほど抗うつ剤を服用しました。1か月に1回、精神科医に話を聞いてもらい、その時だけでも冷静になれることが多いに助けになりました。今でも心気症・病気不安症は全然ありますが、その時々で、信頼できる専門家に、素直に弱音を吐きながら、与えられた健康に感謝し、自分にできることをやって生きていくということになると思います。
自分で対応しきれない問題を抱えたなら、誰かに相談するしかないです。責任感が強くまじめな人ほど、他人に頼られたら嬉しいのに、他人に頼ることは難しく、抱え込んでしまいがちです。自分が患者さんだったら?自分が思っていることを、患者さんや友人が、自分に対して打ち明けて相談してくれたらどう対応するだろう?客観的に見て自分の悩みはどの程度のものなのだろうか?と視点を変えてみることも有効と思います。
私は認知行動療法やマインドフルネス瞑想の訓練も受けました。森田療法の本も読み、自分でできるワークブックなどもやってみました。
こういったキーワードで調べていただけると、考え方が分かると思います。
これらの本にも書いてあると思いますが、不安がやってきたとき、まともに相手をしすぎると、脳内の不安回路がますます強化されます。例えばうるさい押し売りが「これを買ってください!買わないと大変なことになりますよ!(このホクロはメラノーマじゃないですか!放置していいんですか!)」とドアの外で叫んでいたとして、まともに相手すればするほど相手もヒートアップします。そういう時は「あーはいはい、またうるさいことを言ってる、しばらく相手にしないで他のことをしていたら、あきらめて押し売りはいなくなるだろう」と対応するような感じで、「あーメラノーマの件ね、また不安が来たね、客観的に考えれば子供での発症確率は低いし、一刻を争う緊急性もないよね、とりあえずあと3日は検索をせず先延ばしにして、それでもまだどうしても気になるなら皮膚科に行こう!その先のことは皮膚科医に任せよう!不安がやってくるのは、私が弱っているときだから、ちょっとリラックスできる時間を持とう!3日我慢するのは無理だったけど、前はすぐにネット検索していたのが、3時間は我慢できたから、自分は成長している!!すごい!」と、不安の声を客観視し、意図的に少し無視をする、まともに取り合わない、それによって脳内の不安回路を大きくしすぎないということが重要と思います。
そして、不安な気持ちも、まじめできっちりしている自分の美徳を逆側から見た面かもしれません。小さなことも気になる性格だからこそ、看護の仕事もできるし、患者さんの不安も分かります。不安でたまらない自分も自分の一つと受け入れ、「こんな自分はダメだ」と責めすぎない、不安な気持ちも一緒に生きていこうと受け入れることも楽になる方法と思います。