2019/7/3 09:52:15
5歳の娘がいます。娘は生まれて9ヶ月ごろに突然脱毛し始め、まゆげも…
5歳の娘がいます。娘は生まれて9ヶ月ごろに突然脱毛し始め、まゆげもまつげもそのうち全部抜けてしまい全身脱毛症になりました。病院には定期的に通っていますが、原因はふめいです。生えてきてもまた脱毛をくりかえすようです。
今幼稚園に通っていますが、来年小学校にあがります。とても不安でしかたがないです。学校でからかわれたりしないか、娘が傷ついて帰ってくるのではないかと。正直娘にどう接してあげればよいのかわからなくなってきます。さきのことが不安になってしまい最近不眠だったり頭痛にあったり、疲れ果ててしまいました。娘が一番辛いのはわかっていますが、今私にできることは何なのかとお聞きしたいです。
専門家からの回答
はじめまして、小児科医の白井です。
脱毛は目に見えやすい変化ですし、加えてお子さまも小学校に上がられる環境の変化など、ご不安がつきないと思います。
●お母様もご認識のとおり、小児の脱毛症は原因が不明なことがほとんどです。
成長過程のお子さまにはできる治療も限られていますし、
今後の予後など不明な点ばかりです。
ただ一つ言えるのは、お子さまやご家族の何かが悪かったから、
お子さまが脱毛症になったということではないこと、これは確実です。
当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、
多くの小児の慢性疾患において、お子さんは知らず知らずのうちに、
「自分が悪かったから、病気になったんじゃないか」と考えてしまう傾向があります。
この点について、ご家族と御本人がしっかりと、日頃から言葉にして共通認識として持っているだけでも、だいぶお子さまやご家族にとって支えになるかと思います。
●そして、子供は正直です。小学校にもあがれば、毛だけにとどまらず、
容姿についてふざけて言い合ったり、ちょっかいをだしたりするのが常です。
お子さまのキャラクターにもよりますが、お母様がただどうしよう、と恐れるよりも、
思い切って「ねぇ、もしハゲっていわれちゃったらさ、どうする?」
「なんでハゲてるの・カツラかぶってんの?って言われたら、どう答える?」と、
親子で一緒に腹をわって話しておいたほうが、お子さまとしても安心感を感じることもあります。
バカにされたら、言い返すわ!というお子さまもいれば、
嫌な気持ちにさせたことを相手に謝ってほしい、というお子さまもいますし、それぞれです。
とにかく、お子さまが、自分自身の病気についてどう考えているか、どう捉えているかを、ご家族が把握しておくことは、有事の際の対応にも役立ちます。
そしてご家族が、何があっても味方だよ、大好きだよ、ということを伝え続けることが非常に大切です。
たとえハゲって言われてからかわれても、お友達は◯◯ちゃんのことを全部否定したわけじゃない、ということ。
毛がない◯◯ちゃんも、それについて友達から言われて大泣きした◯◯ちゃんも、言い返した◯◯ちゃんも、お母さんは大好きだということ。
当たり前のようですが、こうした内容を言葉にしてお子さんに伝え続けることは、お子さんにとって大きな安心材料になります。
●小さなお子さまに対しても、お母様の不安は必ず伝わっていると思ってください。
もちろん、お母様に不安になるな、というのは無理です。「大好きな◯◯ちゃんが、からかわれちゃったらママ心配だなぁ。ママもつらいよ。」って正直に伝えたって良いんです。
そのうえで、上記のように、お子さまと病気のことについて話し合い、
親子ともども、気持ちを共有しておくことが大事です。
少しでもお力になれれば幸いです。