2019/7/4 22:16:11
周期性発熱症候群|ステロイド療法をしているのですが発症間隔が短くなってきています。
医師から周期性発熱症候群の疑いと指摘され、ステロイド療法をしていました。半年ほどよく効く薬だと思っていました。
2、3ヶ月ごとに熱が出て、ステロイドを内服すると、2〜6時間後に解熱します。
しかし、ついに「発症感覚が短縮される」現象が起こってきました。先日は一週間後に出たと思ったら、2日後に、それが毎日になり、そのうち熱の上下の幅が狭くなり、平熱に戻りました。
この間、かかりつけ医にタガメットを処方され、治療を開始しました。
タガメットでの治療成功率?は50%とネットで見ました。
1ヶ月間処方されて、無理だったら、手術を受けるしかなさそうでしょうか?
多くの症例を見ている専門家の先生にお聞きしたいです。
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専門家からの回答
はじめまして、小児科医の白井です。
●診断に至るまでの経緯や、現在の症状の詳細、また診察したわけではないので、いわゆる周期性発熱症候群の一般論として受け止めてください。
●周期性発熱症候群のなかでも典型的で、よく診断されるのはPFAPA症候群で、お子様もおそらくPFAPA症候群に準じた治療を受けられてきたのだろうと察します。
この場合、成長に伴って、とくに10歳前後くらいには発熱の頻度がおさまってきて、治療が不要になることが多いです。
お子様の場合、ステロイドが効果があったということはPFAPA症候群に矛盾しないのですが、
10歳になられた現在、逆に発熱の頻度がふえているとのことで、これはあまりPFAPA症候群として典型的ではないです。
●タガメットは、PFAPA症候群の治療としてよく使われ、奏功する方も多くいます。
たしかに50〜60%前後の効果、と一般的には言われますが、とにかくPFAPA症候群の治療は個人差が大きく、
効く人にはガツンと効く、効かない人は全然効かない、という感じなので、なんとも言えません。
その他の薬にはロイコトリエン受容体拮抗薬や漢方などが、PFAPA症候群の治療薬にあげられますが、いずれも効果は個人差があり、かつ、なぜ効果があるかのメカニズムも詳細は不明です。
なお扁桃・アデノイド摘出の手術は、もちろんPFAPA症候群の治療の一つではありますが、摘出手術を受けて100%治るという絶対の保証もありません。10歳といえど全身麻酔のリスクなどがありますから、よく検討して行う必要があります。
●お子様は今後おそらく、タガメットで効果がなければ、次にロイコトリエン受容体拮抗薬など、他の内服薬もかかりつけから処方されるかもしれませんし、手術を勧められることもあるかもしれません。
どちらも間違いではありません。
が、タガメットでも全く効果がえられない場合や、そもそも10歳という年齢で発熱頻度が落ち着いていないことからも、本当にPFAPA症候群でよいのか、という疑問が生じてきます。
PFAPA症候群は、数ある周期性発熱症候群のうちの一つにすぎません。
ほかに周期性発熱症候群に該当する病気の中には、一般的な開業医や総合病院ではできない、(大学病院や研究機関などを通じてする)特殊な免疫の検査などを経てはじめて、診断がつく病気もあります。
また、そもそも、周期性発熱症候群以外に、熱のでる原因を考え直す必要もでてきます(腫瘍、膠原病、免疫不全症候群、薬剤熱などなど…)。
●ひとまずは、今のかかりつけの先生の処方を、指示どおり内服されて、経過をみましょう。
それでも効果がない場合、その先生がどのように今後すすめられるかわかりませんが、一度精密検査をしなおしたり、そのために総合病院やこども病院、大学病院などに紹介受診をすすめられたりする可能性はあるかもしれません。
少しでもお力になれれば幸いです。
白井先生、ご回答ありがとうございます。
あまり詳しく書いてはいなかったんですが、総合的に回答していただけて納得しました。
もともと扁桃肥大のある子です。
本人とかかりつけ医と相談しつつ、治療を進めていきます。
ありがとうございました!