2019/7/16 02:56:58
上の子が乳幼児突然死症候群だと、下の子もその可能性は高いですか?
昨年第一子女の子を出産しました。生まれつき右耳が難聴、折れ耳でした。
それ以外に問題はなく健康でしたが、生後4ヶ月のときに乳幼児突然死症候群で亡くなりました。
その後、ありがたいことに第二子を妊娠しました。
喜びもあるのですがそれ以上に不安が大きいです。
1人目が何かしらの問題を抱えて産まれてきた場合、兄弟では似るのでしょうか??
また、亡くなった原因もわからないので何に気を付けたらいいのかわからず、また同じように失ってしまったらという恐怖でいっぱいです。
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専門家からの回答
はじめまして、小児科医の白井です。
つらく大変なご経験を、共有いただきありがとうございます。また、お二人目のご妊娠、おめでとうございます。
●お一人目については、耳の奇形と難聴ということ以外に情報がなく、ここでは何も断言できません。
お一人目について、どこまで検査されたかもわかりませんが、そのような奇形や難聴をきたす染色体・遺伝子・神経の疾患も山のようにありますし、かといって全員がSIDS(乳幼児突然死症候群)で亡くなるわけでもありません。
そもそもSIDSの診断もどのようにされたか、で状況も変わってきます。本来は、突然亡くなられた後に、全身の解剖を行って、それでも原因がわからなかった場合にSIDSの診断名となります。
が、とくに思い当たる原因がないのに突然亡くなった、でもご家族のご意向で解剖ができなかった(→つまり、解剖できなかったのでSIDSとは本来、診断できないケースです)。という場合でも、医療機関側としては、SIDSに準じて説明するため、ご遺族としては「うちの子はSIDSで死んだ」と認識している場合もあります。
この場合は解剖をしていないので、もし解剖していたら、たとえば明らかに窒息していた、とか、どこかの臓器から出血していた、などの原因が分かっていた可能性があります(つまり、原因が明らかなので、SIDSではありません)。
●亡くなったお子さんが、何かしらの疾患だと診断されており、しかも適応があれば、出生前診断の適応になりますが、おそらく何の診断もおりていなかったと思われるため、今の時点では出生前診断(つまり、生まれたあとに命に関わるような病気をもっているか、羊水などを使って検査をする)の適応にはならないかと察します。
つまり、なぜ上のお子さんが亡くなったか、がわからない以上は、次のお子さんがどうなるかも、誰にもわからないとしか言いようがありません。
SIDSは前述のように、原因がわからない死亡、と定義はされていますが、中には心臓の遺伝子の異常などが発見されているケースもあります。医学的に考えると、こうした遺伝子の異常が次のお子様にも遺伝する可能性は完全には否定できません(実際、どれくらいこうした遺伝子異常が遺伝するかも、研究がまだ十分でなく、わかりません)。
が、これについても、上のお子さんがこうした遺伝子の異常を持っていたかわからないなら、次のお子さんもどうかはわかりません。
●不安はつきないと思いますが、今お母様ができることは、きちんと健診に通われ、診察を定期的に受ける、これにつきます。
その上で、お生まれになったあとは、SIDSや窒息の原因となるようなリスクを無くした環境で、お子様を育てていく、これにつきるのです。(家族全員の禁煙、大人用の寝具で寝かせない、添い寝を避ける、熱のこもりやすい環境を避ける…などなど)
少しでもお力になれれば幸いです。
良いお産をお祈りしております。