2019/6/22 14:06:53
息子が発達障害なのかも?個性か病気か見極めどころを教えてください。
幼稚園に通う息子のことで、少しお友達と違うなという性質があり、心配です。
今、昔に比較してもいろいろな病気が一般にも知られています。例えば、発達障害などのものです。
息子は、例えば、遊び場で女の子の同年代をみると、おもちゃを持って行ってあげるなど、親切な行動をとりますが、同年代の男の子には牽制しているようで、手をつなごうとするお友達の手を振り払うということがあります。少し、他のこと比較しても仲間の作り方が違うように見えます。個性か、病気か、の見極めどころを教えて欲しいです。
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専門家からの回答
はじめまして、小児科医の白井です。
●実際のお子様の様子を拝見したわけではないので、あくまで、発達障害についての一般論として受け止めていただければ幸いです。
●大前提として、何か変かも・他の子と違うかも、と思われたり、指摘されたりするケースのほとんどは(よほど極端な症状や発達具合でない限り)、ハッキリとした診断がつけられない「グレーゾーン」です。
そもそもの発達障害の概念として、個性か発達障害か、の白黒つけられるようなものではないです。
●ネットには発達障害の診断基準やチェックリストなどがありますが、それが当てはまるからといって、簡単に診断はできません。
今までの精神・運動発達の過程、診察室でのお子さんの振る舞い、学校と家での様子の違い、家族背景、そのほか諸々を総合的に判断します。
●なので、仮になんらかの発達障害が疑われた場合でも、一番大事なのは「診断すること」ではありません。
重要なのは「お子さんの特徴・キャラクターを把握すること」です。
聴覚よりも視覚からの情報が入りやすい。一つ一つの行動処理には問題はないが、マルチタスクや、過去の経験を活かして対応するような場面になるととたんに処理が難しくなる。など。
診察はもちろん、発達や知能検査で、こうしたキャラクターを把握することができます。
これが大切な理由は、「お子さんのキャラクターにあわせた関わり方を、周りの人がすること、そういう環境を整えてあげること」が、お子さんにとって重要だからです(これは発達障害に限らず、すべてのお子さんにとっても該当しますが)。
とくに発達障害があるお子さんは、その行動から、他人から叱られる場面が多く、本人も周りも気づかないうちに、自尊心が傷つき、二次障害(うつ状態や、さらなる問題行動など)を引き起こしやすいからです。
ケースによっては、療育や特別支援学級などの導入が大事になってくるのは、こうした理由からです。
●それまでは何も指摘されていなくても、小学校高学年や中学生などになって、勉強の内容が高度になったり、
友達のコミュニティが繊細で複雑になってくる年頃になったりして初めて、友達関係・学校生活が困難になり、発達障害の傾向が明らかになり、特別支援学級へ移行していくケースもあります。
また発達障害のような症状を引き起こす、医学的な身体疾患も様々あります(ホルモンの病気や、ジストロフィーなどの神経の病気など…)。
●お子様は3歳とのこと、たしかに発達の特性が分かりやすくなってくる年齢です。
お母様がどうしても、発達を誰かに評価してもらいたいという場合は、支援センターや小児の発達専門の外来などに相談されても良いかもしれません。
が、基本的には上記のように、診断をつけるとか、くすりで治療するとか、そういう領域ではなく、
お子さんの特性を理解するための発達の検査をしたり、その結果、お子さんには周りの人がどう関わってあげたらいいかをアドバイスされるような形になると思ってください。
少しでもお力になれれば幸いです。