2019/7/9 18:08:18
妊婦は仰向けで寝ると胎児に悪影響がありますか?仰臥位低血圧症候群?
こんにちは。現在、妊娠9ヶ月/33歳女性/初産婦です。
寝る体勢について悩んでいます。
6ヶ月時点で仰向けで寝ることができなくなりました。抱き枕を購入し、左を下にした横向きの体勢をとって眠りにつくことにしているのですが、目が覚めると必ず仰向けになっています。悪夢を見ることもある程、苦しくて目覚めるといった感じです。そして必ず手が浮腫んでいます。
インターネットを調べると仰向けで寝ることで「仰臥位低血圧症候群」の症状が出る恐れがあるとのこと。なんとか横向きのまま目覚めたいのですが、もともと寝相が悪いこともあり、寝ている体勢をコントロールできません。
・体勢を維持できるよい方法はありますでしょうか。
・やはり、仰向けで寝るのは良くないのでしょうか。特に胎児に影響がないかどうかとても心配です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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専門家からの回答
はじめまして、小児科医・IMPI妊婦と子どもの睡眠コンサルタントの白井です。
●なるべく横向きで寝たいものの、気づいたら仰向けになって、苦しくて起きてしまうということですね。結論からいってしまうと、医学的に、こうしたら寝る体位を保てる…というものはありません。
たしかに左向きのほうが、大きくなった子宮と血管の位置関係の都合で、明らかに楽にはなるはずなので、
せめて寝付くときには左向きで、あとは枕など個人的に合うものがあれば使う…というぐらいの対策にはなってしまいます。
そもそも、とくに妊娠後期になると80%ぐらいの妊婦さんが、睡眠の何らかの問題を抱えます。
ホルモンの都合上、熟睡がむずかしくなるのはやむを得ないので、こうした問題を「解決する」というよりは、「うまく付き合っていく」というスタンスのほうが、心身ともに楽かと思います。
●仰臥位低血圧症候群だけが原因で、絶対に子どもに悪影響が出る、ということは証明されていません。
海外の一部の論文では、子宮内での胎児の死亡が、妊婦の仰向け寝と関連があるのではないかという報告もあるのですが、サンプル数が多くないことや、仰向け寝だけが原因なのかということには疑問も呈されており、これは正直気にしないで過ごしたほうが良いです。
これだけのために、医師が横向き寝をすすめることはありませんし、胎児の状況は、お母さんの寝るときの体位のほかにも、はるかに多くの影響を受けます。
●他にそもそも、寝付きをよくする・少しでも眠りを深くするためには、日中に1時間ほどの昼寝をすることも効果があります(日中に疲れをためすぎると、夜の寝付きが悪くなるので)。眠くないのに無理やり昼寝をすすめるわけにはいきませんが、少なくとも体を横にして休息時間を作るのは良いので、試してみてはどうでしょうか。
午前中に日光を浴びるのも良いので、体調と相談しつつ、朝のうちに日光を浴びる習慣をつけてください。
また、なにか決まったストレッチや読書など、睡眠前に必ずこれをする、という儀式を意識的にするのも効果的です。ブルーライトを使わない、毎日気軽にできる内容と時間で、何かやってみてはいかがでしょうか。
また途中で起きてしまったときも、ブルーライトは禁物です。一度見ただけで、それまでとってきた睡眠もリセットされる、ぐらいに思ってください。
寝室は寝るところ、という境界線が大事なので、10分たっても寝付けないというときは、一度リビングなどに行き、音楽などを聞いて、眠くなったらまた寝室に戻る…のような行動が理想的です。
寝ている間、ホワイトノイズ(テレビのザーザー音)をつけておくと効果がある人もいます。
●色々かきましたが、結局、絶対にこれをしたら夜までぐっすり、とはならないのが妊娠後期の睡眠の特徴です。いずれ赤ちゃんが生まれて、どうしても断続的な睡眠を強いられるので、お母さんの体がその準備をしている…という説もあります。
ムリせず取り入れられるものだけで良いので、上記が少しでも参考になれば幸いです。良いお産をお祈りしています。