小学5年生の負けず嫌いな性格の息子への接し方で困っています。
小学5年生の負けず嫌いな性格の息子への接し方で困っています。
息子は幼稚園の頃から遊びの勝負に負けそうになると、
泣いて悔しがって続けるのを嫌がったり逃げたりしてきました。
その度に悔しい気持ちに共感しつつも、
逃げたら一緒に遊んでる相手はつまらないし、自分も同じことされたらどう思うか、
勝ちたいなら練習したら上手になれることも話してきました。
高学年になっても友達とゲームや外遊びで負けそうになったら勝負を続けることをやめたり、
悔しくて泣いて部屋に篭ることが続いています。
友達はまたかと息子が落ち着くまで待ってくれる子もいれば、
息子が弱虫だと言って一緒に遊びたがらない子もいます。
担任の先生からもドッチボールなどの授業で悔しくて泣いてる息子の話を聞きます。
学校では逃げ出すことは我慢できているようです。
今まで担任の先生や習い事の先生などに相談しては
「小学校の間はそういう子は多いから気にしすぎないでいい」とアドバイスされてきましたが、
5年生になってからは上手にできる子に対する妬みの悪口も増えて、
私自身が頑張ろうとせずに悪口ばかり言ってる息子に対して優しくなれません。
「何も努力しようとしないで何を偉そうに言ってるの」と冷たい言葉をかけてしまいます。
友達関係のなかで息子のそういう性格を嫌がられて、
息子自身が学ぶのならいいのですが、
さらにいじけて自分だけ優位に立てる世界に籠ろうとしそうで心配です。
息子が負けて悔しくて勝負から逃げたり、上手な子への嫉妬で悪口を言っているときに、
どういう風に接したらいいのでしょうか?
息子のような性格の子はどのようなことに気をつけて親は接したらいいのでしょうか?
専門家からの回答
はじめまして。
言語聴覚士の中井と申します。
ご相談、読ませていただきました。
お母様が息子さんに「練習したら上手になれる」と、前向きに考えられるようにご助言されてきた事、とても良いと思います。それでも、「何も努力しようとしない」と感じられている現状なのですね。
まずは、勝ち負けに注目しない事を目標にしてみるのはいかがでしょう。
例えばサッカーの試合の場合、たくさん走っていた事を褒める、パスのタイミングが良かった事を褒める等、勝ち負け以外で息子さんの良かった事を褒めるのです。そのうち息子さんも褒められる事が嬉しくなったり、自分で出来た事を振り返れたり、試合をした事が楽しいと感じるようになるかもしれません。
また、最後まで参加出来た事を褒める事も重要だと思います。
親御様の接し方ですが、上記のように勝ち負け以外の点に注目して褒める事と、息子さんが得意な事に関して息子さんが自信を持てるように伝えていく事が必要かと思います。誰でも褒められれば、もっと頑張ろうという気持ちになるので、息子さんも何か変化があるはずです。「努力する」事に繋がるかもしれません。
また、親御様自身も、負けたり失敗したりするところを息子さんに見せ、負けてもなんてことないよと感じさせてあげるのも良いかもしれません。同じように、努力する姿を見せるのも良いと思います。
息子さんが勝負から逃げたり、お友達の悪口を言っている時には軽く流し、常に何か褒める事はないか、という視点で見てみてください。
他に、ご家庭でお時間がとれるようであれば、「もし負けそうになったら、負けてしまったら、どうしたら良いか」についてお話するのも良いと思います。
「負けそうな時、どんな気持ちになるの?」等と聞き、息子さんが自身の感情を確認するよう促したり、その時どうしたら良いかを一緒に考えたりするのです。
シュミレーションを行い、実際の場面でどう行動したら良いかを練習する事も有効かと思います。
専門家からの回答
チョコマフィンさん、こんにちは。
お子さんの事をとてもよく見てらっしゃいますね。なかなかできる見方ではないと感動しました。
「負けて悔しくて泣く」は時期が解決するように思います。
低学年・中学年の男の子には、負けて悔しくて泣く子はちょこちょこいます。泣かないにしても、言い訳をして強がる子もたくさんいます。
高学年になってくると、勝負こと全般で負けて泣く子は少ないですが、体育の授業で練習した「球技やリレーの試合」などでは、負けて涙をためる子はまだまだいます。
「担任の先生からもドッチボールなどの授業で悔しくて泣いてる息子の話を聞きます。
学校では逃げ出すことは我慢できているようです。」とのことですので。お子さんのペースで気持ちの切り替えや、折り合いがつけられるようになってきているのではないでしょうか。チョコマフィンさんがおっしゃる通り、「負けて泣くということ」の後が大切ですよね。
私自身がお話を拝読して、気にかかったのは「負けそうになったら勝負を続けることをやめたり」という部分と、「できる子に対する妬みは言うが努力はしない」という部分です。チョコマフィンさんが懸念していることと重なりますね。
①勝負が劣勢になると投げ出すこと
②妬みは言うが努力はしないこと
この2点について「声掛け」と「できること」
サッカーを例にとって話をします。サッカー日本代表でキャプテンを務めた長谷部選手のことです。
「学生の頃自分よりうまい選手はたくさんいた。上を見れば県内にも、日本全体にも同じ学年で自分よりうまい選手はゴロゴロいた。高校2年生の後半までは試合にも出られなかった。こうして生き残ったのは、自分の持ち味である「適応する力」ち「考える力」があったから。そして、突っ走ってきた。トップレベルに到達する選手ほど、自分を信じる力が強い。技術的にそれほどうまくなくても、ものすごい努力をしてきている。逆に、優秀でも、あきらめる選手もいる。」
才能だけで世の中を渡る人はいません。努力します。それがどんな道でも。上手な奴は得だなって誰しも思いますよね。大人でもそうです。でも、みんなっ背負っている人生があるんですよね。人生の課題も違う。5年生には難しいかもしれませんが。
何か一つ、親子で練習できませんか?たとえば「縄跳び」の2重跳び。3学期は縄跳びが体育の授業で実施されることが多いですし、練習すると確実にうまくなります。もちろん、スポーツでなくてもかまいません。クラスで一番にならなくてもいいんです。
「練習してうまくなったけど、もっとうまい奴がいた」と妬んでもかまいません。そんな時は、このように言ってください「練習しなかったら、あなたは0回その子は10回」
でも「練習したから、あなたは3回、その子は10回」。
あくまで例です。一人で練習したり努力しろと最初はいっても、挫折がちです。ですので、とことんつきあってあげてください。練習して何かできるようになった、変化があったという実感を繰り返していくことに、今は意味があると思います。
家族で、トランプやカードゲームなどはしますか?必ず負けそうになっても途中で辞めないことを約束してから、始めてください。もし、途中で投げ出しそうになっても、約束したことを思い出させてください。結果投げ出したら、もう一回はなし。(実践されているかもしれませんが…)いわば、家族で練習ですね。家族でスポーツする時でも構いません。
「あなたの気持ちはわかった!一緒にできることを考えよう!」という、態度で良いと思います。
①気持ちは1回受け止め(同調はしない)
②「どうしたいのか・どうしていきたいのか」を聞き
③一緒にやろう!
まずは、お子さんの気持ちを「自分はどうしたい」に向けていけると良いですね。
専門家からの回答
こんにちは。負けん気が強い性格、大いに結構と思います。「自分の人生はこんなものでいいや」「勝とうが負けようがどうでもいいや」「どうせ自分なんて無理」というような、しらけた無気力な子も多いのです。泣くほど勝ちたい、頑張りたいことがあるということで、本当に素晴らしいと思います。受験や勝負を勝っていくためにどうしても必要な性質だと思います。うらやましいです。
勉強なども、「ママと勝負!10分でどれだけ宿題できるかな?よーいドン!あーママまた負けちゃったー」などと勝負の形にして乗せることができるかもしれません。宿題と同じ問題をやってもいいし、大人用に難しい計算問題や漢字ドリルをやってもいいし、「あなたは宿題、ママはこの家事をやる、どっちが先か勝負」というようなことでもいいと思います。
どうしてもやりたいけどうまくいかないことがあるようでしたら、そのことだけをスポット的に教えてくれるような教師をつけたりして、「できなくて悔しい」を「できてうれしい」に変え、自分に自信をつけていくサポートもできるかもしれません。例えばボールを投げること、サッカーのドリブル、逆上がり、水泳のクロールだけなど、特定のことを一対一で教えてくれるような家庭教師や教室があります。プロに2時間も教えてもらったら見違えると思います。努力しろと言いますが、具体的に何をどう努力するのかが子供には分からないと思います。勉強でもスポーツでも、目標を立て、現状を正しく把握し、現状から最終目標までの間を小さいステップに分け、「これができた!次はここまでいこう!」という風にうまくほめたりしながら導いてくれるプロを利用することも考えられると思います。
「ドッジボールはできないけど、算数は誰よりできる」というふうに、一つ得意分野ができると、できないことについてもそれほどこだわらなくなるかもしれません。「算数」というほどでなくてもいい、小さなことでもいいのです。子供のいいところを見つけて気づかせてあげるということも考えられると思います。「○○できました」と表彰してあげたり、メダルなどをあげてもいいかもしれません。毎日新聞を取りに行く仕事をしてもらい1週間できたら表彰でもいいと思います。親以外の第三者(先生など)にも細かいことでも褒めてもらうことが必要かと思います。
それと合わせて、感情のコントロールを学んでいくことも考えられると思います。発達障害のある子は特に感情のコントロールが難しく、その習得も難しいのですが、そういった子向けに感情コントロールを含めて社会で生きていく上のスキルを教えるソーシャルスキルトレーニングなどについて書かれた本をご覧になったり(大型書店の、家庭医学コーナーや、特別支援教育に携わる教師向けのコーナーにあるかと思います)、インターネットで「ソーシャルスキル 感情コントロール」などで調べてみられてもいいかもしれません。具体的に「こういう場面だったらどう思う?どうしたらいい?」というようなシミュレーションをしたり、感情の動きに対してどういう向き合い方があるか、実際にあったことを振り返って考えてみたりというような訓練を行います。発達障害があるかどうかに関係なく、発達障害の子向けに書かれた指導書は、子供というものを理解し、できないことをサポートするにあたって大変有効と思います。