2021/10/11 05:18:33

現在、2人目の子供を希望して不妊治療中です。体外受精の治療を行なっ…

しおまる
やじ / 38歳 / 男性 / 会社員 / 既婚 /

現在、2人目の子供を希望して不妊治療中です。
体外受精の治療を行なっております。

【質問】
断食は不妊解消に有効だと考えますでしょうか?
書籍などで調べ、実際に断食(3食→1食)にしたところ以前とは違う
活力が出て本当に有効なのではと感じています。
※不妊治療をしようと決めた後に断食をスタートさせています。

不妊治療で使用する薬は体に対して主作用の他に副作用をもたらすことを知りました。
普通に考えれば自然妊娠ではなくある意味不自然な方法で行なっているため副作用があるのは当然かもしれません。

どれだけ妻の身体や子供を授かったときに子供に与える影響というのはどれほどなのか
心配になりご相談させていただいた次第です。

以上、よろしくお願い致します。

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    専門家からの回答

  1. 松岡勇太 松岡勇太 2021-11-13 16:01:54
    • 医師(産婦人科、内科、精神科)
    • 栄養士(産婦人科、内科、精神科)

    【質問】
    断食は不妊解消に有効だと考えますでしょうか?
    書籍などで調べ、実際に断食(3食→1食)にしたところ以前とは違う
    活力が出て本当に有効なのではと感じています。
    ※不妊治療をしようと決めた後に断食をスタートさせています。

    →あくまで肥満があり、糖質過剰である場合に、ちょっとした糖質制限が有効ではありますが、断食自体はいいというエビデンスはないです

    どれだけ妻の身体や子供を授かったときに子供に与える影響というのはどれほどなのか
    心配になりご相談させていただいた次第です。

    →究極的には泌尿器科で断食前後での精子の運動機能をしらべるのも一つ参考になるでしょう。

  2. 専門家からの回答

  3. jigokushoujoennmaai 藤原芳子 2021-10-13 09:23:53
    • 医師

    こんにちは。

    食事については他の先生がご回答されていますが、例えば極端な肥満がある方については、標準的な体重にすることは健康上意味があると思います。例えばBMIが30を超えるような肥満の方の場合、女性なら排卵が不規則になりやすく、また出産の際に産道が狭くなりがち、帝王切開の際に赤ちゃんを出すまでに時間がかかるなどもあります。

    そういったことがなければ、断食でこれだけ効果があるということは言われていないと思います。

    不妊治療、特に多くの薬剤を使ったり受精卵を操作したりする高度な不妊治療(体外受精、顕微授精など)について、不安を持たれる方は珍しくないかもしれません。私自身、2人の子供がいますが、どちらも高度な不妊治療でできた子供です。現在の一般的な見解では、高度不妊治療でできた子供だからといって何か健康上の問題、発達などに明らかな差があるということは言われておりません。と言うか恐らく、不妊治療でできたかどうかに関係なく、子供というものの個人差のほうが大きすぎるのかもしれません。私自身の子供は、一人は体外受精(精子をふりかけるだけ)でできた子で、受精卵のグレードが高い、良い受精卵でした。もう1人は顕微授精(精子を選別して人工的に卵子に針を刺して精子を注入する)でできた受精卵で、受精卵としての育ちも悪く、受精卵として生き残れるかどうかギリギリのところで、破棄するかどうか迷っていたような受精卵だったのですが、妊娠経過、出産後の育ちなど、体外受精の子と特に変わりません。それぞれの子で違うところはありますが、「ああやっぱり顕微授精だからこの子はこんなにダメなんだ」とは思わないです。

    女性の体への副作用という意味では、やはりゼロではありません。私自身は幸い、そういうホルモン系の治療の副作用はあまり感じないほうでしたが、つらいと感じる方もおられると思います。ただやってみないとその方にどのような副作用がどの程度出るかは分からないので、治療をしても授かりたいと思うようならトライしてみてダメならまた考える程度でいいのかもしれません。そもそも女性の体にとって、妊娠出産育児というのは多大なダメージを与える行為です。女性が生きていくだけを考えれば子供を産まないのが一番楽だと思います(出産した女性のほうがかかりにくい病気もいくつかはありますが)。しかし生き物の本能として、もしくは愛するパートナーとの家族を増やしたいということで、自分を犠牲にしてでも子供を持ちたいと思うことがあると思います。体のつらさは男性側にはどうしようもありませんが、つらさに寄り添う、家事などできることは協力するといったことで、女性側としては救われる部分も大きいと思います。

  4. 専門家からの回答

  5. 小児科じゅう 速水 雄大 2021-10-11 14:46:49
    • 医師(小児科)
    • 医師免許
    • 小児科専門医
    • NCPR(新生児蘇生法)
    • 公認心理師

    ご相談ありがとうございます. 小児科医の速水です. 

    小児科医の立場からは断食は勧められません.
    その理由を
    【1.断食が人間に与える影響】
    【2.妊活中の断食が将来の子どもの人生に与える影響】
    について説明したいと思います. 長くなりますが, 読んでいただければと思います.

    【1.断食が人間に与える影響】
    断食や極端なダイエットを行うと飢餓状態となった人間の脳の中でβエンドルフィンという脳内麻薬が分泌され, “調子が良くなったように感じる“ことがあります.
    相談者様の“活力が出てきたように感じる”というのはこの脳内麻薬の影響だと思います.
    人間に限らず哺乳類の脳にはこのような機能があることが知られています.

    少し具体例を出したいと思います.
    何日も食事にありつけていないライオンを想像してください. このライオンが食べ物にありつくためにはシマウマを捕まえて食べる必要があります.
    飢餓状態のままではライオンは動けないため, シマウマを捕まえることができません.
    そこでライオンの脳では飢餓状態を麻痺させるためにβエンドルフィンを分泌させ, 麻薬の作用で体を無理矢理覚醒状態にして活動・命の維持ができるようにしているのです.
    命を守るための生物学的な戦略です.

    しかしこの方法には2つ問題があります.
    ・断食に伴い体の筋肉や脳が萎縮すること・
    ・分泌されるβエンドルフィンは麻薬であるために依存性がありダイエット・断食依存から抜けられなくなることです.

    これは拒食症の患者さんで起きていることと同じです.
    家族の大黒柱であるお父さんには, そうなってほしくありません.
    お子さんがお父さんの影響を受けてしまうことも心配です.

    【2.妊活中の断食が将来の子どもの人生に与える影響】
    現在の医学では赤ちゃんがお母さんの子宮の中にいる胎内環境が赤ちゃんの人生に影響するだけでなく, 妊娠前のお父さん・お母さんの体験が赤ちゃんに影響するということが知られています.

    実際ヨーロッパでは精子トレーニングの研究がされていて, 肥満の男性が妊活前に適切な運動をして体質改善することが子どもの人生に良い影響を与えるのではないか, と予想されています.
    ポイントは一般的な食事・一般的な運動を行なって健康状態を維持して妊活を行う, ということです.

    では断食はいかがでしょうか?
    過去にはが<子ども・孫世代の肥満・成人病のリスクを上げた> というデータがあります. 第二次世界大戦中, オランダではナチスドイツによる兵糧攻めにより飢餓の時期が長く続きました. そしてその子ども・孫の世代では, 普通の食事を食べているのに, 肥満・成人習慣病の頻度が増えたのです.
    これは親の世代で飢餓があったために, 子どもの世代が飢餓に対応できるように, 親の遺伝子に機能の変化が起こり(エピジェネティクス), 遺伝子が子どもの世代に伝わった結果だと考えられています.

    【まとめ】
    お父さん自身への影響・お子さんの世代への影響を考えて小児科医の立場からは断食は勧められません.
    お父さんご自身の健康を保った上で, 相談者様の家族が幸せに過ごされることを祈っております.

    1. しおまる やじ 2021-10-12 08:22:19

      速水先生

      ご丁寧なご回答ありがとうございました。
      具体例を用いていただいてとてもわかりやすかったです。
      いろいろな角度から教えていただきましたのでなにが1番良いのかを考えていきます。

      ありがとうございました。

    2. 小児科じゅう 速水 雄大 2021-10-12 19:25:47
      • 医師(小児科)
      • 医師免許
      • 小児科専門医
      • NCPR(新生児蘇生法)
      • 公認心理師

      やじさま
      コメントありがとうございます。
      今回の回答が、やじさまと奥様、そして娘さんが笑顔で過ごすことに繋がれば嬉しいです。
      もしまたお力になれることがありましたらご相談ください。

      速水

ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮して、ご参考にしていただくようお願いいたします。

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